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手・肩・ひじ 2021.03.02

【南川コラム】五十肩の方へ/当院のリハビリを紹介します!

40歳〜50歳代にかけて『肩の痛み』を訴える方が多くなります。

一般的には『五十肩』とも呼ばれ、時間と共に自然に症状が改善していく事も多い疾患ですが、人によっては日常生活に支障を来すほどの『強い痛み』と『肩の動かしにくさ』も出てきます。このような状態を改善する為には『リハビリ』が必要となってきます。

今回は治療法の一つである『五十肩のリハビリ』について解説していきます。

 

五十肩のリハビリとは?

五十肩は経過によって症状が変わってきますので、医師及び療法士が状態を確認し、時期に応じて必要なリハビリを行っていきます。

時期別のリハビリテーションは大きく3通りです。

 


五十肩の時期の目安

炎症期

特に痛みの訴えの強い時期。

この時期のリハビリは『痛みの管理指導』を中心に行っていきます。

痛みによって肩周りの筋肉や関節が固くならないようにストレッチや肩甲骨の運動で動きを広げていき、できる限り動きの維持を図ります。

また、寝る時の肩の位置や姿勢、生活上の注意点など、痛みが悪化しない方法について指導致します。

 

  • 就寝時のポジショニング【仰向けの場合】

  • 就寝時のポジショニング【横向き】

拘縮期

炎症期に比べ痛みが軽減してくる時期。

肩周りの筋力低下や関節の動きの改善を目的に、担当療法士の指導のもと、痛みの状況に応じてストレッチや体操を行い、動きの改善を図ります。

  • テーブル拭き①(ワイピング運動)

  • テーブル拭き②(サンディング運動)

回復期

徐々に肩の痛みや動きが回復してくる時期。

積極的に肩を動かし、可動域を広げ、弱くなった肩周りの筋肉を以前の状態まで回復させていきます。

リハビリ時の運動だけでなく、日常生活上での自主トレーニングを行う事が回復を早めるため自宅で出来る運動指導も積極的に行っていきます。

 

  • カフエクササイズ

  • スカプラエクササイズ

自宅でできるリハビリテーション

【五十肩のリハビリテーションの目的】

 

・肩関節の『関節可動域(動き)の改善』

 

・萎縮した肩周りの『筋肉の回復と強化』

 

・生活や仕事へ復帰するために必要な『(肩の)動きの獲得』

 

ここで紹介している内容は、『拘縮期』及び『回復期』の時期にあたる方を対象としております。
※痛みの強い炎症期の方は、積極的な運動は控えて下さい。

 

  • 棒を使った体操①

  • 棒を使った体操②

  • タオルを使った体操

Q&A (よくある質問)

リハビリは週に何回必要ですか?

患者様の肩の状態によって必要なリハビリの頻度は異なりますが、当院では『週2回』を目安としてお伝えしております。

リハビリ以外の日でも、担当療法士より指導された自主 練習に励んで頂けると早期回復の一助となります。

 

五十肩は繰り返す可能性はありますか?

繰り返すことは、ほとんどありません。

一度リハビリテーションなどの治療を行い、改善した人は再発しても初期に気がつき、自己訓練を始めるので進行しないのではないかと思っています。

 

五十肩は左右両方なりやすいですか?

両側例も稀にありますが、ほとんどは片側例です。

 

コラム監修

【記事監修】緑川孝二 医師

副理事長・南川スポーツ医科学研究所 所長 
福岡ソフトバンクホークス顧問医師(チームドクター)

【専門】
肩・スポーツ整形外科

【資格】
医学博士
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本医師会認定健康スポーツ医

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