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お知らせ 2021.05.11

【南川コラム】半月板損傷/手術後のリハビリを紹介!

『膝を曲げたり伸ばしたりする時に引っかかる感じがする』『歩く時や階段、しゃがみ込んだときに痛い!正座したくても膝が曲がらない』などの症状はもしかしたら"半月板"が損傷しているかもしれません。

今回は『半月板損傷』の手術後のリハビリについて解説していきます。

 

半月板損傷とは?

膝の負担を受け止める『クッションの役割』と膝関節の滑らかな動きの維持に必要な『関節の安定化の役割』を担っています。この重要な機能を持つ半月板は、運動時や転倒の際に、捻られるなどの強い衝撃が膝に加わることで損傷します。損傷を受けた半月板は、『損傷部位』や『損傷の程度』によってリハビリ内容が異なります。

 

半月板損傷のリハビリは?

手術をせずに、残された半月板機能を温存しながら痛みや動きの改善を図る『保存療法』と、損傷した半月板の機能を再獲得することを目的とした『手術療法(半月板縫合術、切除術)』に分けられます。

その中でも、当院で主に実施している「半月板縫合術」の術後リハビリについて詳しく解説していきます。

 

手術後リハビリの目的は?

・日常生活に必要な『膝の角度(可動域)の獲得』

 

・体重をかけれない時期(免荷)に低下した『筋力の向上』

 

・膝に負担をかけないための日常的に必要な『動作の獲得』

 

手術後のリハビリの流れ【半月板縫合術】

縫合術は膝の曲げ伸ばし(可動域)、体重をかける(荷重)時期が決まっています。

今回は術後の流れに沿って解説していきます。

 

手術後翌日

【腫れをコントロールする時期】

手術によって膝周りのさまざまな組織が損傷を受けるため、翌日より炎症に伴う膝の腫れが出てきます。
 
RICE(ライス)指導だけでなく、腫れをひかせる為に痛みのない範囲で積極的な運動を進めています。

※『RICE(ライス)』とは?
[R]患部を安静に保つ
[I ]患部を冷やす(アイシング)
[C]患部を圧迫する
[E]患部を挙上する

手術後1週~ 

【膝の動きを獲得していく時期】

 膝の曲げすぎ、曲げた状態で内股、ガニ股になると縫合部位にストレスがかかる ため、曲げる角度は90°となっており、膝のお皿とつま先が同じ方向を向くような 注意が必要です。体重はまだかけれないので、筋力低下の予防として運動を継続 して実施していきます。
 
【可動域】膝を曲げすぎると縫合部位に負担がかかるるため、90°までとなります。

【荷重】全体重の1/3から開始します。

手術後3週~6週

【体重をかけていく時期/松葉杖歩行】

荷重を開始。ですが、縫合部位へのストレスを考慮して体重 の1/3からかけ始めていきます。

足をつけての運動が可能となるので、軽いスクワットや空気椅 子なども追加していきます。

術後6週~

【体重をかけていく時期/歩行】

片足立ちがスタート。ようやく杖を外すことができます。自 宅を想定した動作練習が中心となります。特に床の上の動作 低い場所へ座る、浴室での動作などです。

手術後3ヵ月~

【運動開始時期】

ジョギングスタート。さらに正座が許可されます。
可動域の制限は解除されますが、痛みを伴う場合があるので、お尻との間にタオルやクッションなどを入れるといいでしょう。

生活上の注意点

日常生活の中でも、些細な動作に注意するポイントがあります。

特に内股やガニ股の状態で体重をかけること、膝を深く曲げることで、縫合部位へのストレスが増えます。

以下のような場面では注意が必要です。

 

立ち上がり動作

床での動作

自転車での乗り降り

コラム監修

【記事監修】市村竜治 医師

【専門】
膝関節外科・人工関節・外傷

【資格】
日本整形外科学会 専門医
日本人工関節学会 認定医
日本DMAT医師

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